未処理のCOPに密着!
背景
昨今のディスプレイは液晶から有機ELへ。形状もフォルダブルやベンダブルといったフレキシブルディスプレイに変わりつつあり、基盤も従来のガラスからCOP(環状オレフィン、シクロオレフィンポリマー)フィルムへと変貌を遂げている。当社に相談されたクライアントも同様で、素材としてCOPフィルムを選定。ところがこのCOPフィルムは取扱いが難しく、未処理では上塗りとの密着がなく、一般的なプライマーを塗装するとフィルム自身に割れが生じてしまう。とはいえコロナ処理をおこなうと、コストUPになるだけでなく、シュウ酸によるライン汚染の問題も発生してしまう。そこで当社に対し未処理COPフィルムにダイレクトで密着させる開発依頼があり、検討をおこなうこととなった。
課題
・未処理COPフィルムに対する密着性および2次加工膜との密着性。
・曲げても割れない屈曲性(マンドレル試験 0mmΦ)
・ガイドロールや輸送中に傷が入らない耐擦傷性。
解決手段
・未処理のCOPフィルム用プライマーを2次加工膜と密着させるために、
UV硬化系原材料フォーミュレーション技術により最適化する。
結果
・平成29年、有機EL用途向けの特殊部材へ採用される。
・未処理COPを使用することでコロナ処理の必要がなくなり、
ライン汚染の問題やコスト削減に繋がることができた。
・未処理への密着技術を確立したため、現在はプライマー
だけでなく、最外装に使用するハードコートの開発も着手。
クライアントの要求に合わせ、
耐屈曲性タイプと耐擦傷性タイプの開発に成功した。
・現在はフレキシブルディスプレイ向けの採用に向け日夜改良を
進めております。
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