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高機能性塗料コラム

 第31回、UV-LEDの開発案件募集します!

 

投稿日:2020/9/28

 

 

 こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。

高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの土井雄馬です。

 

前回のコラムではUV-LEDのメリット、デメリットについて

説明させていただきました。

今回はUV-LED硬化コーティング剤の開発事例についてご説明いたします。

 

〇UV-LED硬化コーティング剤の開発について

 開発にあたっては、まずUV-LEDで硬化させるメリットを

最大限に活かすことを考えました。

様々な用途で使用されている機能性フィルムの市場動向は、

コスト低減も狙いとしたフィルムの薄肉化であり、薄肉化によって、

より顕著となるフィルムの熱変形などの不具合を生じさせないように、

「極力、フィルムへの熱負荷工程を減らす」ことを目標としました。

 

 

 そこで、熱負荷を減らすためのコーティング剤の設計指針としては・・・

1)現在市場で使用されている機能性フィルム用UVコーティング剤のほとんどが溶剤希釈型であり、

溶剤を揮発させるためのプレヒート(加熱乾燥)工程が必要となります。

そこで、このプレヒート工程をなくすべく、溶剤を含まない無溶剤(100%液状)型であること。

 この結果、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)フリーとなり、

より環境配慮性にも優れたコーティング剤となります。

 

2)もちろん、従来のUVランプである高圧水銀灯やメタルハライドランプより

  発熱の少ないUV-LEDで硬化すること。

 

 上記の設計指針によって、開発した無溶剤型UV-LED硬化コーティング剤の組成概要を以下に示します。

 

★UV硬化成分

・光重合性モノマー成分

→ 特に希釈性・反応性を重視した単~2官能アクリレートモノマーの選択

 

・光重合性オリゴマー成分

→ 低エネルギーでも反応する、アクリル、ウレタン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテルの

 アクリレートなどの選択


・光開始剤

→ UV-LEDにマッチしたアミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、チオキサントンなどの選択


★その他、添加剤(レベリング剤、消泡剤など)、充填剤(有機・無機微粒子など)

 

 従来品である溶剤希釈型UV硬化コーティング剤と、無溶剤型UV-LED硬化コーティング剤の

 開発品との塗料性状・塗膜性能の比較結果を表1に示します。

 

 

 高圧水銀灯やメタルハライドランプ用に設計した従来品では硬化しないUV-LEDに対し、

開発品は、2Passながらも高圧水銀灯UVランプと同じ照射線量500mJ/㎠でしっかりと硬化し、

従来品とほぼ同等の塗膜性能を得ることができました。

このUV-LED向けに工夫したポイントについて、ご紹介いたします。

 

〇光源の波長と光開始剤の吸収波長とのマッチングが重要。

 従来のUV硬化コーティング剤にUV-LEDを照射しても、コーティング膜にはタックが残り、

しっかりと硬化しません。これは前回のコラムでも触れましたが、UV-LEDが発する光の波長と、

コーティング剤に含まれる光開始剤の吸収波長の違いが大きく影響しているためです。(図2)。

 UV硬化コーティング剤は、コーティング剤に含まれる光開始剤がUV光を吸収することで反応性の

ラジカルが生成し、反応が開始されますが、図2に示すように一般的な光開始剤(Irgacure 184)では、

今回用いたUV-LEDの波長(365nm)の光に対する吸収が非常に弱く、マッチングしていません。

 

 そのため、UV-LEDでコーティング剤を硬化させるには、

UV-LEDの波長に適した光開始剤を選択することが重要です。

UV-LEDと光開始剤の吸収波長領域とのマッチングのイメージを図3に示します。

 

 

 使用するUV-LEDの波長に合わせて、光開始剤が光を吸収して反応できる領域(Reactivity region)を

調整することで反応性が向上いたします。

 もちろん、光開始剤だけを変更しても、UV-LEDで硬化し、塗膜性能が発現するコーティング剤が

出来るわけではありません。用途を踏まえたUV硬化成分(光重合性モノマー、オリゴマー)と組み合わせて

最適なフォーミュレーションを検討する必要があります。

 

〇UV-LEDでの機能性コーティング剤の開発案件求む!!

 一般照明用の高圧水銀ランプについては2020年の12月31日以降、水俣条約(及び国内担保法)の規定により

製造も輸出入も禁止となります。UV照射用の高圧水銀灯については除外されていますが、水銀を含まない

UV-LEDは、より環境負荷の少ない光源であります。また、無溶剤型コーティング剤は、VOCフリーであり、

プレヒート工程省略によるCO2削減にも寄与します。

即ち、UV-LED及び無溶剤型UV-LED硬化コーティング剤の採用は、

光源(装置)とコーティング剤の両面で、環境問題対策に貢献することができます。

 

 そこで皆様にご提案ですが、

 

「貴社でもUV-LEDの導入検討をおこないませんか?」

 

今回紹介させて頂いた開発品をベースに、さらに色々な機能性の付与が可能であると考えます。(図4)。

 

 

 例えば、屈曲性(折り曲げ性)・成形性(延伸性)・硬度・耐擦傷性のような塗膜(バルク)物性改質による

機能性の付与、防汚性・離型性のような塗膜表面の機能性の付与などです。

お客様のニーズにお応え(お答え)する塗料の個別設計が当社の強みです。本コラムをお読みいただき、

興味を持たれた方は、是非こちらまで、ご連絡をお願いいたします。

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