高機能性塗料コラム
第8回、スマホのディスプレイ見づらくないですか?
投稿日:2018/10/22

こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。
高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの遠藤です。
今回は、「フィルム+α(機能)」として、さまざまな用途で用いられる
プラスチックフィルムに付与する機能のひとつである
「防眩(AG:アンチグレア)」を紹介します。
まず防眩って何?からはじめます。眩しさを防ぐこと、
強すぎる光をやわらげることです。
皆さんは、カーナビゲーションのディスプレイに外光が映り込んで
画面表示が見にくく、困った経験はありませんか?
そんな時に役立つのがディスプレイ保護フィルムです。(図1)
ディスプレイ保護フィルムで外光影響を緩和する方式には、大きく分けて2つあります。
反射防止(AR:アンチリフレクション)、と防眩(AG:アンチグレア)です。
「反射防止」の場合(図2.左)は、保護フィルム表面に屈折率と膜厚を精密に制御した
多層膜を形成し、光の干渉現象を用いることで、外光の映り込みを防止します。
表面が平滑なことから、光散乱なくコントラストを下げないのが特徴です。
一方、「防眩」の場合(図2.右)は、保護フィルム表面のコーティング膜に微細な凹凸をつけ、
外光の映り込みを拡散反射させることで視認性を確保します。
このコーティング膜には粒子が含有されており、
表面にできた粒子の凹凸形状で発生する光散乱と、コーティング膜と粒子の屈折率の差による
光の内部散乱を用いて外光の映り込みと画面の視認性を調整します。
スマートフォンのようなタッチパネル型ディスプレイでは、ディスプレイ面に直接触れるため、
表面の微細な凹凸形状により「指紋の目立ちにくさ」で優れる防眩(AG)フィルムが主流です。
カーナビゲーションも画面に触れるため防眩(AG)がおすすめですね。
スマートフォンやタブレットが普及し、カーナビゲーションを始め車載機器のIT化が進んでいる今日、
ディスプレイの見やすさ(視認性)はとても重要なファクターなのです。
次回は防眩でおこる問題点について説明します。