高機能性塗料コラム
第9回、スマホを見ていて目が疲れませんか?
投稿日:2018/11/27
こんにちは。「こんな塗料できないの?」に私たちが答えます。
高機能性塗料設計技術ソリューションパートナーの遠藤幸典です。
今回は前回に引き続き「防眩(AG:アンチグレア)」のテーマで、
ディスプレイ保護フィルムのトレンドである防眩(AG)でおこる
問題点を紹介します。
防眩フィルムを使ったことのある人はおわかりになると思いますが、
問題は「ぎらつき」という視認性の低下です。
この「ぎらつき」は眼精疲労の原因で自覚症状なく、実はすごく目が疲れています。
ぎらつきは、ディスプレイの画素からの光が、防眩フィルムの凹凸形状によって
異なる方向に屈折し、本来、R、G、Bの混色として使用者の目に届くべき
色や明るさが、凹凸形状のピッチや傾斜に応じてランダムに発生する光反射
および光散乱を干渉縞として認知(図1.左)しているものと考えられています。
図1 防眩フィルム凹凸形状による光反射または散乱
図2の左のように画素が小さく、球状粒子の粒径が大きい場合、
コーティング膜表面にある粒子がレンズ効果を起こし、
コーティング膜に入った液晶の光が散乱し、ぎらつきとなります。
このぎらつきは、図2の右のように球状粒子の粒径を小さくすることで
光散乱を抑制でき、ぎらつきを改善することができます。
図2 微粒子を用いたぎらつき抑制の概念図
最近は、ディスプレイメーカー各社の高精細化指向により、
なお一層のぎらつき抑制が求められます。
そんな「ぎらつき」を改善するために当社が開発したコーティング剤として、
高精細ディスプレイに対応した「TOMAX FA-3317M」
ぎらつき低減に特化した設計の「TOMAX FA-3155M」
映り込み低減に特化した設計の「TOMAX FA-3344M」
のラインナップがございます。
上記製品はグラビア塗装用ですが、さらにスプレー塗装用に開発した
新製品を含め、製品カタログはこちらよりダウンロードが可能となっております。
また、サンプルのご用命はこちらよりお願いします。
なお、ぎらつきと防眩(AG)コーティング剤に関するより詳しい解説については、
塗料・塗装専門誌に、
・日本塗装技術協会の「塗装工学」2018年9月号
・塗料報知新聞社の「塗布と塗膜」2018年11月号
「ぎらつき抑制アンチグレアコーティング剤とぎらつきの定量評価について」
を寄稿しましたので、ぜひご覧ください。
(アフロディ株式会社 代表取締役CEO 嶋秀一様との共同執筆)
2回に渡ってお送りしました「防眩(AG:アンチグレア)」はいかがでしたか?
次回は高機能性材料部の上窪にバトンタッチし、
加飾フィルム用のコーティング剤についてお話させていただきます。