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塗料界新報に当社社長のインタビュー記事が掲載されました。

塗料界新報2021年7月19日号に

当社代表取締役社長:塩田淳のインタビュー記事が掲載されました。

関東塗料工業組合(寺内裕雅理事長、略称「関塗工」)の活動、人、企業を紹介するコーナー「関塗工展望」。

今回は、技術環境委員会の塩田 淳委員長(日本化工塗料代表取締役)です。

過去最高参加者数を記録したセミナー等、委員会活動の様子や、機能性コーティング剤を主力に展開する

日本化工塗料の事業概要について伺いました。

 

 技術環境委員会では主に塗料原材料等の技術情報についてのセミナーを年に4回開催し、

そこでの知見を関塗工内で共有するという活動を基本としている。

講師は、原材料メーカー等から招く事が多いが、塗料の法令関係セミナーなども多くの参加者を集めている。

 また、今年度第1回のセミナー「他では聞けない塗料原料の話~酸化チタンについて」

(6月3日、15日開催/講師:中畑顕雅氏=元関西ペイント)では、参加者が非常に多く、

そのうち4分の1ほどは交流事業を進めている大阪塗料工業協同組合(大塗協)からの参加であった。

 この「他では聞けない」セミナーの特徴は、原材料メーカーの視点ではなく、

あくまでも原材料を使う側の視点で語られること。『ある原材料が現在どうしてこうなっているのか、

歴史的なバックボーンから話をしてくれるので、貴重な内容。

まさに、他では聞けません』と塩田氏。昨年の同じ講師による「紫外線吸収剤」のセミナーも好評で

(この回が過去最高の参加者数)、今回の聴講者アンケートでも「また話を聞きたい」という回答もあり、

違うテーマでのセミナーのお願いもする予定という。

 今後の委員会活動について塩田氏は、『関塗工には塗料だけでなくその原材料を供給するメーカーさん

もおられ、各社の技術・材料を紹介するセミナーなども企画してみたい』と言う。

 さらに、大塗協との交流も含めて『内々での技術共有なども考えていき、

中小企業ならではの課題をお互いが持ち寄って解決するようにしていければいいのではないか』と構想する。

 関塗工の魅力は、『間違いなく競合している部分はあるはずだけれど、うまく棲み分けされていて、

補完し合っているところがある』と分析。だから、『もっと交流を深めていくと、

補完し合える部分が増えていくのではないか。例えば、メンバー間で技術やデータを共有できれば、

より効率的に開発や生産を進めることが出来るし、すでに一部では進められているBCPにおける

サプライチェーンの協力なども補完関係のいい例としてあげられる』と指摘する。

そして、技術分野での協力体制について『技術環境委員会として、もっと議論する場があってもいい』

との想いを抱く。

 

 さて、これまでの関塗工活動の中で強く印象に残っていることは?

 『大塗協さんと合同の当社工場見学会(同社がホストを務めた)。同じような材料で、

同じようなものを作っていたとしても、やはり文化の違い、やり方の違いがあるんだなと。

だから、他メーカーさんに行くと驚きがあり、それは現地に赴かないと体験できない。早く次の

(現在、コロナ禍影響で延期となっている)合同見学会予定のイサム塗料さんに行ってそれを体験したい(笑)』

 

 関塗工理事の中に入ってみての印象は?

 『皆さん、経営者として厳しい現実と向き合っておられると思うけれど、それ故なのか、

人間性が豊かでとてもフランク。刺激になる。そして、やはり補完し合っている関係性が素敵だと感じています』

と、関塗工に入らなければ経験できなかったことだと話した。

 

UV技術で課題解決を 日本化工塗料~機能性コーティング剤

 1885年(明治18年)に日本の特許第一号を取得したのは、漆ベースの船底塗料「堀田錆止塗料及ビ其塗法」

であることは〝業界あるある〟だが、これを開発した堀田瑞松氏が日本化工塗料のルーツであることは

あまり知られていないかもしれない。

 堀田瑞松、賢三親子によって起こされた塗料事業が、1917年に法人経営に移り、

幾度もの経営難を乗り越えて、1974年に関西ペイントグループ会社となり現在に至る。

ちなみに「にほん化工塗料」ではなく「〝にっぽん〟化工塗料」である。

 なお、賢三氏はインキ・塗料メーカー他社の設立にも関わり、色材協会設立の発起人にも名を連ねた傑人。

また、「松本賞」で知られる関塗工初代理事長の松本十九氏も同社の技師長、役員として活躍しており、

こうした特異な技術者が同社の歴史に関わっている。

 104年前に船底錆止塗料から始まり、カニ缶内面用油ワニス、木工用ニス、

戦後には紙加工用塗料「ニッカコート」、自動車ランプ向け真空蒸着用塗料「BRIGHT」を開発し、

蒸着紙用塗料も展開。並行して、国内のUV硬化技術黎明期より開発を進めてきた

UV硬化塗料を紙加工用塗料に適用し、その後、プラスチック成型材用コーティング剤等に展開。

これらの基盤技術が最新の機能性フィルム用UV硬化コーティング剤に引き継がれている。

 

 ----現在の事業内容を教えて下さい

 (塩田社長)当社は、製造受託塗料(関西ペイント製品)に加えて、自動車ヘッドランプ、機能紙、

機能性フィルム向けのコーティング剤を自社製品として展開しています。現在、当社の強みである

UV硬化技術を用いた自社製品の市場開拓に力を入れています。

 例えば、フィルム向けでは車載ディスプレイ用の防眩(アンチグレア)コーティング剤などが伸びています。

 

 ----新製品開発にも力を入れていますね。

 3次元加飾成形用途でのハードコートやプライマー、離型コーティング剤など加飾成形に対応できる

コーティング剤の開発に力を入れています。目下、成型加工性(延伸性)とハードコート性にも優れる

加飾成形用UVコーティング剤を開発中で、コンバーターとタイアップしています。

加飾成形試験設備も導入しました。車載用から、PCやスマホ等々への適用も視野に入れています。

 機能性フィルム用コーティングというマーケットでは、非塗料会社と競合することが少なからずあり、

従来の塗料というカテゴリーではオーダとーされないニーズとの出会いがあります。

新しい需要の開拓に向けて、ディスプレイや3次元加飾成形用途での新しい機能や

付加価値の創出に取り組んでいます。

 

 ----今後の抱負は?

 日塗工の環境配慮塗料の分類によると、UV硬化塗料は、成膜時のエネルギー低減に寄与する

「省エネルギー」塗料と定義され、地球温暖化ガスであるCO2削減のために有用な塗料・硬化システムです。

 当社製品の販売数量比率は、溶剤系焼付塗料:水系焼付塗料:UV硬化塗料=1:1:1くらいの比率。

UV硬化塗料にも溶剤系を多く含んでいるので、日本国内の低VOC塗料比率の61%(2019年度の平均値)

に比べると、低VOC塗料は、そんなに多くはないのですが、

水系とUVの環境配慮型塗料で全体の3分の2となります。

特に、UV硬化塗料の比率がこれだけ高いのは間違いなく当社の特徴。

ここを伸ばすことによって、中小塗料企業であってもUV硬化塗料のトップランナーになれるので、

まずはそこを目指したい。塗料全体の中でUV硬化塗料はまだまだ僅かで、適用範囲も限られていますが、

カーボンニュートラルの潮流にも寄与できます。

また、UV硬化塗料は塗装乾燥ラインの設備投資コスト、ランニングコストにおいても優位性があり、

ユーザーの求める機能やラインに合わせた塗料の開発・提案によって、採用例も増えています。

その結果、環境配慮塗料として、「世のため、人のため」に役に立てるものと考えています。

 ----ありがとうございました。

 

 同社では、隔月でメールマガジンを配信し、ホームページの「コラム」と合わせて技術情報を発信する。

展示会への出展や業界紙等への報文投稿も活発に行い、それらの反応からビジネスにつながることも多いという。

塩田氏が同社に着任した当時、文献検索サイト(J-GLOBAL)で同社の文献・特許を検索すると

13件しかなかったが、現在では68件となった。同社の行動指針は「不易流行」の精神を基本とする

「従来と今の当たり前を否定してみよう!」。

これを基に塩田社長が先頭に立って前進しているように感じた。

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