塗料報知に加飾成形技術の記事が掲載されました。
塗料報知 2022年 2月7日号
「加飾成形技術を発信 日本化工塗料」の記事が掲載されました。
日本化工塗料では加飾成形転写技術を応用した製品を展開中だ。
加飾成形は大きく4つに分類される。インモールドやインサート成形といった
樹脂成形と同時に加飾をおこなう「一次加飾」とTOM成形など樹脂成形後に加飾をおこなう「二次加飾」
に分かれ、それぞれ「貼合」と「転写」がある。二次加飾の貼合方式「OMF(Out-Mold Forming)」
の場合は、フィルムを成形品に直接貼り合わせるため、表面に凹凸意匠等を施したフィルムの触感や
質感も活かすことが可能だが、成形後に余分なフィルムをカットする「トリミング工程」が必要となる。
一方、「加飾成形転写方式(OMR:Out-Mold Release)」は、成形品に転写させた後、
離型フィルムを剥離するため、貼合方式よりも凹凸意匠付与の自由度は低くなるが、
成形後の「トリミング工程」が不要となる。
同社が提案する「加飾成形転写技術」は当然のことながら、加飾層を「転写」させた後に、
離型フィルムを剥がせることが必要。加飾層の最上層となるハードコート層には「2液硬化型」や
「UV硬化型」などさまざまなタイプがあるが、ハードコート層によっては剥離性が異なり、
剥がれ難いこともある。 そこで同社の提案する「FS-9200N/L」は、重剥離タイプの「9200N」と
軽剥離タイプの「9200L」を混ぜることで、どのようなハードコート層に対しても
求められる剥離強度にコントロールすることが可能となる。
また、シリコーンやフッ素を使用していないので、転写後の加飾層にシリコーン起因の
悪影響を与えることもなく、転写後のハードコート層に対して、さらに上塗り層が施されるような
仕様の場合でも、その上塗りが可能となる。
また、加飾成形ハードコートは耐薬品性などを考慮し「アフターキュア型」と呼ばれる、
成形後にUV照射して硬化させる方式を採用している。
アフターキュア型の課題は、「時間が経過するとクラックが入る」や、
「蛍光灯下に置いておくと伸びなくなる」と言われ、特に熱による促進試験(110℃×24時間)は厳しく、
初期は100%以上伸びるが、促進試験後は30%も伸ばすとクラックが発生する。同社が開発した「FA-3444-2」は
熱による促進試験後でも、従来品の倍以上延伸することが確認できている。
加えて、どんなに良いハードコートが出来ても、それに密着し、印刷・蒸着層との密着においても
仲立ちとなるプライマーがなければ加飾層としては完成しない。
同社が開発した「FS-1040」は、本加飾転写方式の仕様において上層となるハードコートとはもちろん、
下層となる印刷や金属蒸着層との密着性も良好となる。
なお、加飾成形転写で一番むずかしいのは、「接着剤」。従来の真空圧空成形では、
軟らかい「粘着剤」が使用されるが、20μmぐらいの厚膜にしないと十分な粘着性が得られない。
この軟質で厚膜の粘着剤層の影響によって、せっかく鉛筆硬度の高いハードコートを上塗りしても、
複合膜としての硬度が低下してしまう。「FS-6100」は、薄膜(2μm程度)でも基材と接着する
「接着剤」としての設計であり、厚膜の粘着剤ゆえの複合膜としての硬度低下がなく、
素材の硬さやハードコート本来の塗膜硬度を生かすことができる。
カタログはこちらよりダウンロード可能です。